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2023.12.25

HUMOFIT® を「FASHION FRONTIER PROGRAM 2023」の作品に使用頂きました。

ファッションデザインの可能性を拡張するアワードとエデュケーションの一体型プログラム「FASHION FRONTIER PROGRAM 2023」の ファイナリスト大野舞子さんの作品(衣装)に HUMOFIT® が使用されました。

raw -身体とテクノロジーとの乖離から現代の「raw」を問う-

raw -身体とテクノロジーとの乖離から現代の「raw」を問う-

Photography by YASUNARI KIKUMA / Model by Rina Mizumura

テクノロジーがどんどん発達し、目まぐるしく変動し続ける今、「人は自身の生(ナマ)の身体で何かを感じたり、体験すること」から離れてゆく時代になりつつある。

「本来、テクノロジーは人に寄り添うはずのものなのに、実際には、身体とテクノロジーがどんどん切り離されていっているのではないだろうか。」 という身体の疎外感や違和感を感じたことが、制作のきっかけだった。

テクノロジーの発展に規制がない今、人はいつか「私は今ここに生きている」という実感が分からなくなるのではないだろうか。
人間はどこまでの発展を目指しているのだろうか。

人とテクノロジーが調和し、共生する未来になるには、「もう一度、自分自身のrawを再確認し、rawを感じて生きること」が大切であると考えた。

この作品は、私が一番raw(生)を感じる瞬間、自身の身体表現であるコンテンポラリーダンスから、作品に落とし込んだものである。

実際に、「raw」を表現して踊った映像を touch designer というソフトを使い、『自分のrawと周りが反応している様子や、自分の内側にあるrawの軌道』をデータ化したいと考え、touch designerのプログラマーであり、ダンサーでもある方にご協力をいただいた。

柄は、そのデータと、raw・生命の根源である自身の胎児のエコーの写真を合わせたもので、セイコーエプソン株式会社のモナリザプリンターを使って出力したものである。

素材は、三井化学株式会社の新素材【HUMOFIT®(ヒューモフィット®)】を使用した。
この素材は、人肌の温度で変化する性質があり、人に寄り添って共に生きるような素材である。

HUMOFIT®が持つ特性は、重力の概念を感じさせない、従来のテキスタイルを越えたものであり、この素材を使うことで、これから進化するであろう未来の衣服の可能性を感じた。

衣服というモノを超えた、自分のrawがデザインになり共生する、参加型の衣服である。
作品は、2次元的なものから3次元的なものが飛び出すようなパターンになっている。
ジャケットは、子宮の中にいるような、羊水を想像させる大きな袋である。
また、心が締め付けられたり、膨張して様々に変動する様子を、心臓のような形で表現している。

「テクノロジーと身体が共生する未来」に希望を持ち、クリエイターの方々にご協力いただきながら制作を行った。

Maiko Ono / 大野 舞子
FASHION FRONTIER PROGRAM 2023 ファイナリスト)

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